香取市新規指定文化財:香取神宮木造八龍神像

更新日:2023年2月15日

香取神宮木造八龍神像(かとりじんぐうもくぞうはちりゅうじんぞう)(歴史資料)

●指定日:令和3年6月1日
●所有者:香取神宮(通常は非公開)
●制作年代等
 (1)元禄13年(1700)(推定) 2躯(No.1、No.2)
 (2)室町時代(推定)      6躯(No.3~No.8)

 八龍神像は、香取神宮に伝来する木造の神像で、像高85~90センチメートル前後の像が8体揃っています。現在は神庫に保管されています。

 江戸時代まで、香取神宮では祭祀に八龍神を位置づけ崇拝対象としていました。そのなかで制作された神像です。古くは楼門などに安置されていましたが、慶長12年(1607)に正殿大床に遷されました。元禄13年(1700)の造営時に2体の新調、6体の修復を行いました。さらに宝暦6年(1756)に正殿大床の八龍神像を修復した、との記録が残されています。その後、明治初期に行われた祭祀の改変により、祭祀上における八龍神の位置づけがなくなり、正殿大床から神庫に移され現在に至ります。

 享保10年(1725)の大宮司大中臣和雄著『香取神名記』には、楼門八龍神と称され、古くは楼門上にあったとし、その神名を美麗龍王・耳無聞龍王・九頭醜龍王・目無見龍王・天動為龍王・地動為龍王・雨動為龍王・風動為龍王と記しています。他に類例がない名称であると考えられます。なお、これらの名称が、伝来する八龍神のどの像と対応するかは不明です。

 像容としては、仏像でいえば天部、神将像に準じたデザインとなっています。また、通常の神将像が動きの大きさを意識したものが多いのに対し、八龍神像では手を振り上げる像もあるものの、全体に動きを抑えた造りになっています。岩座に立っていたと考えられますが残っておりません。

 八龍神像は、中世以来、香取神宮において重要な役割を果たしてきた八龍神信仰と、その変遷の一端を今に伝える神像であり、香取神宮の歴史をうかがい知る上で貴重な歴史資料です。
 江戸時代までの香取神宮で行われていた八龍神信仰にもとづく神像であり、かつ8体とも揃った八龍神の彫像として、他に類例の少ないものといえます。

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