カトリノ郷物語vol.8 グラン・プリンチペッサ(ワイン)
更新日:2015年12月15日
清酒醸造の老舗が提案 “グラン・プリンチペッサ”
広報かとり平成27(2015)年12月号に掲載された情報です
飯田
明治10年創業、株式会社 飯田本家の五代目。
当主自ら清酒「
伝統の日本酒を守る一方で構想を練ってきたワインの醸造に着手。いずれはブドウ畑にワイナリーを設け、訪れた人に丹精込めたワインを振る舞いたいと夢を抱く。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
小見川地区の飯田本家といえば明治時代から続く清酒醸造の老舗だ。かねてより日本酒のほかリキュールを扱うとはいえ、今回は製造工程がまるで違うワインを手掛けたと聞き、当主の飯田さんに話を伺った。
「平成26年度に果実酒醸造免許を取得しました。その一年半前から構想はあって、『日本人の口に合うワイン』を作ろうと思っていたんです。今でこそワインは身近な存在になりましたが、やっぱり(外国人とは)味覚が違うから、必ずしも日本人が飲んでおいしいとは限らない。そこで、私たちに合ったワインを目指し“グラン・プリンチペッサ”を商品化しました」
飯田本家の代名詞でもある清酒「大姫」をイタリア語に訳したのが“グラン・プリンチペッサ”。ワインの大姫はどんな味わいなのだろう。
「そうですね、まずイチゴのような甘い香りがします。でもこれはまだ若い赤ワインなので口に含むと心地よい渋みがあって、そのギャップが面白い。出来は毎年違うけれど、傾向として口当たりが優しく、果汁味にあふれていて、ワイン初心者の人にもお勧めです」
昨年は他県のブドウを使用したが、今年は栗源ぶどう組合から提供を受け、「スチューベン」という糖度の高さが魅力の生食用品種を使いワインを仕込んだ。地ワインの醸造を初めて行った感想は?
「試飲するまで分からないのが難しいところですが、思いのほか香りが良くて驚きました。またワイン醸造用品種ではなく生食用のブドウが商品として出せる水準を見事満たしてくれてホッとしましたね」
そう振り返る飯田さん。だが、総合的な品質向上の余地はまだ残っていると話す。
「私は、ワインはブドウ作りから手掛ける必要があると考えています。日本のワイナリー(ワイン醸造に関わる事業のこと)は日々進化していますが、ワイン用のブドウの研究は伸び代があるんですよ」
その現状は数値にも表れている。ブドウの生産は世界では7割がワイン用。これに対し国内では1割がワイン用、9割は生食加工用という統計がある。圧倒的なシェアの違い。だが、そこを伸び代と読んだ。東京オリンピック(昭和39年)以降、認知度が高まったワインは日本の食文化を豊かにし、今なお需要が増す中、飯田さんは――。
「こだわりたいから店舗近くの自社畑にブドウ苗を作付けしました。将来的には、そこで収穫したブドウを使って自分が納得いくまでワインの品質を高め、洗練されたものを皆さんに提供したいですね」
ブドウを生産、加工、販売まで一手に行えばそれは六次産業であり、例えばワイナリーツアーなど観光への波及にも期待が高まる。今年の“グラン・プリンチペッサ”は数量限定と教えられれば、一口を味わい、余韻を楽しみ、飯田さんが描くワインの未来に思いを馳せたい。
グラン・プリンチペッサ
11月24日から販売開始。株式会社 飯田本家の店舗または近所の酒店でのみ購入できます。ホームページなどでの取り扱いはありません。
株式会社 飯田本家
電話:0478-82-2037
このページの作成担当
秘書広報課 広報広聴班
〒287-8501 千葉県香取市佐原ロ2127番地 (市役所4階)
電話:0478-50-1204 ファクス:0478-54-7140
