カトリノ郷物語vol.20 ちば丸
更新日:2016年12月15日
おっぺし芋に最適 まぁるい里芋 ちば丸
広報かとり平成28(2016)年12月号に掲載された情報です
岡田行男さん(高萩)
サツマイモを主とする栽培農家であるが、平成18年に千葉県奨励品種の里芋「ちば丸」の栽培にも着手する。現在、JAかとり連絡協議会ちば丸部会の部会長を務める。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
水はけがよく、豊かな土壌の北総台地は、根菜類などの栽培に最適といわれている。千葉県は里芋の収穫量が全国第1位を誇り、香取・印旛・山武に広がる北総台地が、その記録を支えている。
ちば丸の最大の特徴は、芋の形が丸いこと。里芋独特のぬめりがやや少なく、皮がむきやすいことから調理が簡単で無駄なく使える。以前、栗源のふるさといも祭で、ちば丸の特別販売をしたところ、飛ぶように売れて大反響だったという。
「しっとりやわらかく、なめらかな歯応えで、味にクセがないから、消費者からはグラタンに入れたらおいしかったと言われました。洋食にも合うんだよね。でも、私の一番は煮物かな。煮あがりが早く煮崩れもしにくいし、冷めても固くならないからおいしいよ。あとはやっぱり、“おっぺし芋”かな」
押すことを“おっぺす”というが、その名のとおり、「押しながら芋を出す」食べ方だ。昔から里芋が身近だった北総地域では、小ぶりな里芋を皮つきで茹ゆでたり焼いたりした後、里芋の皮を手で押し出すようにつるんとむいて塩やしょう油などをつける食べ方を“おっぺし芋”と呼んでいる。シンプルさが素材のうまさを引き立てる。
そもそも里芋の栽培経験はなかったという岡田さん。しかし、主力作物で連作を嫌うサツマイモとの畑のローテーションに充てられることや、サツマイモを収穫後の11月から12月にかけて晩生種のちば丸の収穫に移行できるという利点もあり、試験栽培に立候補したという。とはいえ、当時は、栽培方法も試行錯誤。今でこそ、畝を高く作り、浅く植えることができるが、
「当時は、種芋を植える時は15センチメートルも深く掘らなければならず、一つ一つ竹で押し込むから重労働だったよ。また、種芋が竹の節に挟まらないよう、芋の大きさに合わせて竹の太さも変えていたんだ。そして何より肝心なのは水やり。夏は散水が毎日必要なので、北総東部用水が引かれ散水が可能な場所でないと栽培できない。サツマイモの連作を避けるために始めたけれど、年によって作付け面積も違えば収量も一定ではないんです」
そこで、他県では里芋の水田栽培で収量が増えたと聞き、水田で栽培を試したこともあったが、思うようには収穫できなかったそうだ。現在も長年の勘だけに頼らず、土壌や生育方法、自然条件など、栽培方法の研究に余念がない。
今後の抱負を伺うと、
「消費者の声が聞けた時はうれしかったし、励みになりました。集客の多いイベントなどで、もっと多くの方にこのおいしさを味わっていただければ。また、現在市内では約20人が栽培していますが、生産者の数も増えたらいいなと思います」
都市部だけではなく、地元にもっと供給できたらと意欲を見せた。
ちば丸
まあるい「ちば丸」
丁寧に土を払い、里芋を収穫
かごに盛ったちば丸
このページの作成担当
秘書広報課 広報広聴班
〒287-8501 千葉県香取市佐原ロ2127番地 (市役所4階)
電話:0478-50-1204 ファクス:0478-54-7140
