カトリノ郷物語vol.6 シルクスイート(サツマイモ)
更新日:2016年1月29日
かつてない口どけ芋 “シルクスイート”
広報かとり平成27(2015)年10月号に掲載された情報です
代々続く農家を継いで13年目。2012年に誕生し、栽培が始まったサツマイモの新品種“シルクスイート”作りにいち早く取り組み、手応えを感じている。
「最高においしい時期に食べてほしい」と、サツマイモの管理にはこだわりを持つ。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
サツマイモには最高においしい時期がある。いつでも市場に出回っている印象だが、意外と知られていない「食べ頃」をご存じだろうか。ここでは市内でもまだ取り扱いが少ない新品種“シルクスイート(以下シルク)”を生産し、道の駅水の郷さわらで好評を得ている、高城さんに話を聞く。
「“シルク”は、絹のように滑らかな食感と上品な甘さが魅力のサツマイモです。でも、10月はまだ掘るだけで市場に出しません。…ほんとはすぐに出荷したいんですけどね、年明けまでじっと我慢しているんです」
サツマイモといえば秋。そんな先入観を打ち破る発言が飛び出した。もちろん、そこには理由がある。
「貯蔵すると甘味が増すんです。だから掘って2カ月以上は寝かせて、十分に甘味が乗った状態で提供したいと考えています」
そう話す高城さんと“シルク”の出会いは6年前。実は“シルク”の苗が一般販売される前にさかのぼる。“ベニアズマ”を中心に栽培していた高城さんの畑の一角で、
「もう10年以上も昔ですけど、県の農業事務所の新規就農セミナーに参加したのをきっかけに種苗メーカーさんと接点ができて、つきあいが続いているんです。それで試験栽培中の“シルク”を『この苗を育てて感想を教えてほしい』と言われて栽培して、代わりに他の生産者の試験栽培結果を教えてもらっていました。ずっと良さそうだなと思っていたから、一般販売と同時にうちでも始めたんです」
最初は少しの面積から増やしていったと言う高城さん。
「試作の段階から分かってはいたものの、“シルク”はボールみたいに丸い形になってしまうのが難しい。商品価値が下がるんですよ。そこは防除方法や植え方を変えるなどして研究を重ねていますけど」
防除の話が出たが、高城さんのサツマイモは化学肥料や化学合成農薬を極力抑え、「ちばエコ農産物」の認証を受けている。
「そうです。やっぱり安心・安全なサツマイモを食べてもらいたいので、葉っぱが虫食いになっても仕方ないかな。あとは、うちの方針として秋に問い合わせが来ても『寝かせる期間なので今しばらくお待ちください』って言っちゃいますね。冬の1、2月が一番甘味が乗っておいしいのに、貯蔵前のものを食べて『なんだ、こんなものか』と思われたら悔しいじゃないですか。“シルク”は黄色の見た目通りに甘くて、しっとりした舌触りが焼き芋にぴったり。スイートポテトや天ぷらにも。ぜひ食べてみてほしい」
そうしたこだわりが、「“シルク”の時期になったら声をかけて」というファンを増やしている。食べ慣れたはずのサツマイモだが、食べ頃を見極め、最高においしい瞬間を楽しんでみてはどうだろう。
シルクスイート
「ちばエコ農産物」認証シール、シルクスイートシールを目印に、道の駅水の郷さわらで1月以降購入できます。
※ちばエコ農産物とは、化学肥料・化学合成農薬を通常の半分以下に減らして栽培し、千葉県の認証を受けた農産物です
取材のその後
食べ頃という1月、さっそくシルクスイートを入手して蒸かし芋に。皮がするりと剥けて、外側にいくほどクリーミー。自然な甘さがたまりません。バターを添えても美味。
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