カトリノ郷物語vol.1 落花生100%ペースト
更新日:2015年5月15日
「この仕組みをつくるのに十年かかった」
広報かとり平成27(2015)年5月号に掲載された情報です
大野 俊江さん(高萩)
平成20年5月1日、農業法人株式会社オオノ農園を設立。
精込めてつくった落花生を単なる嗜好品で終わらせたくない、その思いから“落花生100%ペースト”を商品化する。無糖・無添加のため、お菓子づくりや調味料など用途は幅広い。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
「この仕組みをつくるのに十年かかった」
――そう言って振り返る大野さん。栗源地区で落花生を栽培から加工・販売まで手がけている、いわゆる六次産業の農家だ。付き合いのある農家からおよそ40カ所の畑を借りて、個人では千葉県有数の面積で落花生を作っている。
「同じ作物だけを作っていると育ちが悪くなるので、そういう畑を貸していただいて、最初は本当に小さな面積から始まりました。畑にはタイプの違う、厳選した6種類の有機肥料をふんだんに投入して、落花生が育つのに適した土壌にするんです。ただ、連作はしません。経験で味が落ちるのが分かっているからです。だから畑を貸していただくのは一年だけ。落花生を収穫して返す時には肥えた畑になっているように手入れをして、貸してくださった方には輪作で少しでも作物の出来が良くなったのを実感してもらえたらありがたいです。そうすれば、また畑を貸していただけるし、相手の方にも良い条件の土で農業をしてもらえる。この仕組みの維持は大変ですけど、おかげさまでどちらにもメリットのある良い関係を築けているんです」
そう笑顔で打ち明けてくれた。
この“落花生100%ペースト”の着想は2年前。
「とにかく落花生の消費を伸ばしたくて。そのままだと、お年寄りや小さな子どもには食べにくいでしょ」
落花生を口当たりの良いペースト状にし、さらにラベルやギフトボックスは若手のクリエイター起用で親しみやすいデザインにした。消費者の立場で考え、取り組んできた“落花生100%ペースト”が今年の春、ひとつの実を結んだ。食のちばの逸品発掘コンテストで金賞受賞。落花生をおいしくする努力をし続ける大野さんの姿勢が報われた形だ。
「本当のおいしさを知ってほしい。だから、無添加で砂糖は入れないんです。ほんのり自然な甘さは良い土で育てたから。ただパンに塗るだけじゃつまらない。一口食べてみて、風味が濃いはず。アイスクリームにのせたりヨーグルトにかけたり、ゴマダレにする感じでしゃぶしゃぶのタレやドレッシングにも使えます!」
食べ方はアイデア次第。可能性を秘めたこの逸品で、今度は落花生のアイスクリームづくりに挑戦している。
「これも多くの農家さんのおかげで輪作がやれて、環境に恵まれたからこそ。畑の土と地主さん、落花生を食べてくださっている多くの人に支えられて楽しく仕事をしています」
感謝の気持ちと明るさに満ちた話を聞けた。次から市内の店舗をのぞくたび、アイスコーナーのチェックが欠かせなくなる。
落花生100%ペースト
道の駅くりもと、水の郷さわら、またはオオノ農園さんのHPから購入できます。都内の老舗デパートなどでも取り扱っているそう。
農業法人株式会社 オオノ農園
http://www.oono-nouen.com/
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