カトリノ郷物語vol.2 ザ・キング(イチジク)
更新日:2015年6月15日
「皮ごと丸かじりがいい」 “ザ・キング”登場
広報かとり平成27(2015)年6月号に掲載された情報です
増田 信司さん(扇島)
平成19年、イチジク栽培の先達、佐藤さん(中洲)宅で“ザ・キング”と出会う。
緑色なのに皮ごと食べられて、しかもそれがおいしいことに感動。自分でも作ってみたいと強く思い、稲作と建設の仕事をやめてイチジク専業に転身した。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
まだ熟れていないように見えて、実は完熟している、そんなイチジクがある。教えてくれたのは農家の増田さん。
「“ザ・キング”という夏果の品種で、店頭に並んでいる、あの緑色が食べごろ。見慣れないだろうから、スーパーでPRを兼ねた試食をやってもらったら、緑色のみかんと間違われたみたい(笑)。一口食べると見た目のイメージとかけ離れた甘さに皆さん驚く。あと、やっぱり珍しがられるね。果肉が赤いので皮とのコントラストが鮮やかだって」
だが緑色のイチジクは、毎年安定して収穫するのがとても難しい、デリケートな品種だと話す。
「あまり出回らず、知ってる人も少ないんじゃないかな」
確かに、“ドーフィン” “
「皮が甘くておいしいんだよ。果実の、つぶつぶの食感もいい。あれは丸ごと食べるからこそだね」
言われてみれば、イチジクは皮をむいたら果肉がごっそり取れてしまう。よくある“皮も”食べられるのではなく、“皮が”おいしいとは、“ザ・キング”ならでは。すっきりした味わいも魅力の、この逸品を広めたくて採算度外視で取り組んでいると聞けば、店頭に並ぶ日を心待ちにしているファンがいるのもうなづける。
香取市独自のイチジクブランド確立を目指す、「いちじく研究会(平成21年結成)」の現会長でもある増田さんは、同会のメンバーと研究に余念がない。“ザ・キング”にしても、先達の佐藤さん(中洲)から
「佐藤さんと県の農業事務所の人と、島根まで行ってね。もっと多くの人にキングを作ってもらえるよう、安定した収穫が見込める栽培方法を模索しているけど、いや難しい。イチジクは寒さに弱く、気温差や、ちょっとした作業のタイミングの違いで実をつけないんだから」
研究会でも主流は“ドーフィン”であり、“ザ・キング”の普及は容易でない。遠い目で語る体験談から、並々ならない苦労が伺える。
それでも、増田さんは「これからだ」と言う。
今は、加工品開発にも着手している。もぎたてが一番なのは言うまでもないが、長く楽しめるのはうれしい。秋果のイチジクジャムやスムージーのほか、シャーベット風に丸ごと凍らせても美味。増田さんたちの、研究会を挙げての市場拡大へ向けた挑戦は続いていく。
ザ・キングと秋果のイチジク
道の駅水の郷さわら、道の駅くりもと、直売所で購入できます。摘み取りは秋果の完熟イチジクのみ、8月から9月までで要予約。
増田農園
電話:090-3202-4347
▼秋果の「いちじくスムージー」(佐原駅前の水郷佐原観光協会で)
取材のその後
平成27年の夏は、“キング”の収穫はごくわずかだったそうです。それだけ繊細で栽培が難しい品種だということ。次の季節に期待が高まります。写真は、本来の収穫期の“キング”。化粧箱に納められ贈答品としても喜ばれそう。
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