カトリノ郷物語vol.18 ホワイトマッシュルーム
更新日:2016年10月15日
うま味が凝縮 ホワイトマッシュルーム
広報かとり平成28(2016)年10月号に掲載された情報です
内野宗彦さん(増田)
平成20年に就農し、マッシュルーム栽培農家を受け継ぐ。栽培するのは、ホワイトマッシュルーム。平成27年度には、千葉県農業士の資格を取得する一方、通路でつないだ5棟の新菌舎を建て、収穫時期をずらすなど栽培の効率化も進めている。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
内野さんが3歳頃のこと。夜中の2時頃だろうか、ふと目を覚ますと隣にいたはずの父母の姿が見えない。泣きながら裏山の明かりのともった小屋に行くと、懸命にマッシュルームの収穫をしてい父母が驚いて駆け寄ってきて…。父母の姿を見てほっとしたんです、と幼少期の記憶を話す内野さん。マッシュルームの生育はとても早い。菌を植えて40日から45日後には収穫できるという。収穫適期を逃すと翌日にはもう収穫ができなくなってしまう。だから、繁忙期には朝日が昇る前から夜遅くまで作業が続くのだ。
千葉県北東部や茨城県南部では、昭和30年代からマッシュルーム作りが盛んだとご存じだろうか。東京オリンピックを機に洋食ブームに火が付き、銚子には缶詰工場ができた。この一帯の水田地域は馬の飼育も盛んだったため、豊富な稲わらと菌床に欠かせない馬ふんが手に入りやすく、一時は千葉県北東部だけで300軒以上の生産農家があったという。その栽培の指導者が祖父だった。
昨年、年間32トンを出荷してきた4棟を建て替え、5棟の菌舎を整備した。新舎での出荷量は60トン近くを目標としているそうだ。各々の菌舎の出入りには入念に靴の消毒を行い、こまめに気温や湿度を記録している。菌舎の中は、菌の生育に最適な気温18度、湿度90%に保たれ、白いキノコがたくさん顔をのぞかせていた。
マッシュルームは、2次発酵までさせた馬ふん堆肥に植菌し、ピートと呼ばれる堆積物で覆い、生えてくる。収穫後は殺菌処理して廃床とし、また新たな馬ふん堆肥作りが始まるというサイクルだ。
「思ったとおりにキノコが生えてくると、よい菌床ができたことにほっとするんです。父は、長年の勘で生育の状態をみることができますが、自分はそこまで至っていません。こまめに記録を取りながら少しでも商品の質の安定を図りたいと思います。また、仕事の山場を分散し、従業員を確保するなど勤務体制の安定も考えています」
と新菌舎には、二つの安定を求めたいと話す。
「うちは道の駅などにいち早く出荷を始めましたが、これは母の発案なんです。また、市場に出さなかった直径10センチメートル以上のものをジャンボマッシュルームと名付けて販売したのも母でした。肉厚で歯ごたえが良いと好評だったことに、新たな販路を見出して。職人タイプの父と社交的な母と、両方の良いところを取り入れたいですね」
今夏、経営を父から譲られたというが、目標はやはり両親の姿だ。
「世界で一番食べられているキノコは、マッシュルームなんです。おしゃれな洋食だけではなく、みそ汁や野菜炒めなど食べ慣れたものにも気軽に使ってほしいですね。ダシは、なんとシイタケの約3倍も出るんですよ。煮物、みそ汁、吸い物など和食にも合う。私のイチオシは揚げたての唐揚げです」
全国一のマッシュルームの産地だけに、もっと地域の方に食べてもらいたいと力強く答えてくれた。
ホワイトマッシュルーム
道の駅さわら、道の駅くりもと、風土村で購入できます。
真っ白なマッシュルーム
パック入り
手前がジャンボマッシュルーム
収穫の様子
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