カトリノ郷物語vol.21 アイベリー
更新日:2017年1月15日
大粒イチゴの源流 高級果実 アイベリー
広報かとり平成29(2017)年1月号に掲載された情報です
吉川博之さん(阿玉川)
現在、構成員11人のJAかとり小見川イチゴ部会に所属。部会をけん引してきた父親の跡を継ぎ、父、母、妻、妹の5人で、大粒イチゴのアイベリーを栽培する。高い品質のイチゴは、高級フルーツ専門店へも出荷している。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
次々と新品種が発表さているイチゴ業界で、今から30年以上前に、衝撃の走った品種があった。その名前は「アイベリー」。大きいものでは一粒80グラムを超え、子どもの握りこぶしほどにもなる。甘味、酸味のバランスも良く、果色や果肉、艶、味が濃い優れた品種だ。
この地で、長年アイベリーを栽培してきたのが、小見川イチゴ部会だ。そもそもここにイチゴをもたらしたのは、吉川さんの父、勝男さんである。高校時代に農業実習で訪れた静岡県でイチゴと出会い、栽培を決心したという。その後も、静岡の実習先の農家に熱心に何度も出向き、栽培方法を教わり、日本で最初のイチゴ福ふく羽ば の苗を分けてもらってこの地持って来たそうだ。その後、勝男さんの声掛けで、小見川、栗源、山田、東庄の生産農家が手を携え、所属する農協の枠を超えた部会の前身水郷イチゴ出荷組合が昭和44年に設立された。当時の小見川町農協は、米とイモの出荷が大半を占め、生産者間で立ち上がったイチゴ部会は出荷スペースを間借りして始まったという。それが、現在のイチゴ部会にまで発展する転機となったのが、「アイベリー」の登場で都内の販路を拡大したことだった。その時も、アイベリーが香取に根付くのをずっと見守ってくれていたのは、静岡の農家だった。
「そういえば、幼い頃から家族旅行といえば、必ずイチゴの産地巡りをしていましたね。当時から静岡にはよく行ってました」
吉川さんたちの取り組みは、次第に周辺のイチゴ農家に広がり、特に堆肥作りに力を入れ、研究を重ねながら高品質のイチゴへと育てていった。
この熱心な取り組みは、息子の博之さんに受け継がれた。資材、技術などの情報収集や導入など、よく研究していると他の生産者からも評判だ。土壌を覆うマルチを変えたり、発売されたばかりの天敵保護装置を設置したりと常に新しいものを取り入れようとしている。
現在、アイベリーは都内の高級フルーツ専門店の新宿高野にも卸しているという。大粒のアイベリーは非常に手間がかかるため、他の産地では新品種に切り替えられてきた。幸い、香取市は、都内など需要が多い都市部に近く、生産を絶やさず継承してきたことが、その希少さもあって注目された。
「家では、イチゴの話ばっかりしていますね。アイベリーの大きさや、味にすっかり魅せられ、細々とずっとやってきました。甘いだけではなく、酸味のバランスも取れ、味の濃い大粒で形の良いイチゴを目指しています。特に土壌の環境と苗作りには気を使っています。夏場の育苗と土作りでイチゴの生育が決まってしまうのです。質の向上はまだまだできると思っています。栽培期間は長く、病気や害虫の管理も大変ですが、最高のイチゴを作ることに全力で取り組みたいです」
理想とするイチゴの姿にブレはない。現状に満足せず、さらなる高みに向かう姿勢から、イチゴ作りへのこだわりが伝わってきた。
アイベリー
JAかとり小見川経済センターで予約の上、購入できます。
電話 : 0478-82-1403
箱入りの大粒アイベリー
化粧箱入りはプレゼントにもピッタリ
1粒ずつ丁寧に摘み取り
摘みたてのイチゴ
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