カトリノ郷物語vol.14 アボカドポーク
更新日:2016年6月15日
愛情たっぷり やわらか アボカドポーク
広報かとり平成28(2016)年6月号に掲載された情報です
有限会社サンライズ
高木秀直さんと妻の祐子さん(高野)
上質な純血黒豚(ブリティッシュバークシャー種)と衛生的な環境で育った白豚(SPF豚)を夫婦で飼育。動脈硬化を防ぐオレイン酸を多く含むアボカドオイルを与え、その肉は甘味のある上質な脂が都内のレストランなどでも評判。
まだ見ぬ美味しさを語り明かす
おいしい肉質の秘密は、どうやらアボカドオイルを混ぜた飼料だけではないらしい。生産者の高木秀直さんを訪ねた。
小さい頃は養豚が嫌いで、まさか自分が養豚業を始めるとは思わなかったという。その意識が変わったのは、農業大学校での実習だった。1カ月間、市内の養豚農家に泊まり込んだ際、実習先の若手後継者が足を骨折してしまい、秀直さんが即戦力として奮闘することに。
「全てが新鮮で面白かったですね。例えば豚って正確な腹時計を持っているんですよ。ご飯の時間になると、必ず一斉に鳴き出すんです」と豚の本能に驚かされたこともあったそうだ。受け身ではなく、自分が豚の世話をしなければと夢中で動いた実習。養豚業でやっていけるのでは?と一筋の希望が見えた。しかし、皮肉にも実家はハム・ソーセージなどの加工業に本腰を入れ、養豚業をやめることになる。卒業後は、大手の養豚会社で最先端の養豚を学んだり、市外の農場で場長を務めたりしたが、次第に自分のやりたいことを自問するようになった。
2度目の転機が訪れたのは5年前。全国行脚していた養豚業のカリスマ山下哲生さんが高木さんの土地を借りて黒豚生産をしていた時に、この豚を飼わないかと山下さんから打診され、養豚業で独立しようと一大決心をする。黒豚を引き継ぎ、豚舎を再開した。
しかし、県内でも飼育者がいない黒豚は、10年以上積んだ養豚経験の常識が全く通用しなかった。白豚の出産頭数が通常約13頭に対し、当初は2、3頭しか産まれなかった。そこで、豚の視点に立ち、ストレスをかけない飼育方法や飼料を徹底的に研究する。飼育スペースは3倍の広さにした。床も一般的なコンクリートではなく、培養した土着微生物を絡ませたおがくずを70センチメートルほど敷き詰め、野山に近い環境を再現。平成26年には岡飯田の集落から離れた場所に第2農場も設立し、仕切りのない1棟450平方メートルの広大な豚舎で大群飼育を行っている。ここでは同月齢の豚が、大好きな穴掘りをし、おがくずの上を弾むように駆けたり、ごろんと横になったりと、広い豚舎をのびのびと往来している。また、肉質重視のため、穀物のマイロ、甘藷などの飼料に加え、栄養価に富んだブランド豚を育てようとアボカドオイルも与えた。
現在、妻の祐子さんと2人で生産から出荷までを行い、白豚の飼育は祐子さんが担当している。わが子を育てるように、体調の悪い豚には素早く対処する妻に、安心して農場の管理を任せているそうだ。
秀直さん自身、愛くるしい豚の仕草は一日中見ていても飽きず、黒豚の母豚35頭の性格などはすべて把握しているという。理想の豚を自ら作ろうと交配から携わっているが、黒豚の頂点といわれるブリティッシュバークシャー種の肉質を求めるのは容易ではない。
「徐々に黒豚へシフトしていきたいと思います。黒豚の生産頭数は少ないですが、また食べたいと思えるような肉を提供できるかが勝負です。最終的には広々とした野山で放牧できれば一番いいですね」
今後も健康的な最高の豚を作るため、夫婦の挑戦は続く。
アボカドポーク
風土村、日の出牧場で販売している。
日の出牧場 電話:0478-52-0222
アボカドポークについてはフェイスブックをご覧ください(アボカドポークで検索)。
アボカドポークの精肉
のびのび育つ飼育環境
黒豚の授乳
ブリティッシュバークシャー種の黒豚
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