国指定史跡・千葉県有形文化財

更新日:2016年2月1日

 伊能忠敬旧宅(寛政5年(1793)建築・国指定史跡)のほか県指定文化財も8件(13棟)が小野川沿いや香取街道沿いに軒をつらねています。

小野川沿い 町並みの写真

国指定史跡

 伊能忠敬が佐原で30年余りを過ごした母屋と店舗がそのまま残されている。
 母屋は寛政5年(1793)忠敬自身が設計したものといわれている。
 忠敬翁は17歳で伊能家の養子となり、醸酒業ならびに米穀薪炭販売に精励すると共に、村政の中心として活躍した。50歳で隠居をして、天文学や地理学を学び、大日本沿海輿地図を完成させたことで広く知られている。佐原が生んだ世界に誇る科学的地図を作成した偉人である。

<建築年代>

店舗・正門:不明
書院:寛政5年(1793年)
土蔵:文政4年(1821年)以前

千葉県有形文化財

 旧三菱銀行佐原支店(香取市所有)
 県内でも有数の洋風建築として知られ、レンガを使った2階建ての洋館。内部は吹き抜けになっており、2階周囲に回廊がある。
 屋根は木骨スレート葺きで、正面建物隅にドームを設けている。
 川崎銀行佐原支店(開業明治13年)として、大正3年に清水建設の前身である清水満之助商店により建設された。

<建築年代>

大正3年(1914年)

福新呉服店

 文化元年(1804年)の創業、佐原で八代目の老舗。
 前面と側面は土蔵造りの堂々とした間口で当時の隆盛が偲ばれる。
 店舗奥には、井戸のある中庭があり、文化財の土蔵やトイレなどを一般公開している。佐原の商家の典型的なつくりで、映画、ドラマのロケ地として使われる。
 生活空間であるたたずまいそのものが生きている博物館として「佐原まちぐるみ博物館」の一号館となっている。昔の生活道具や衣装なども置かれ、自由に見学できる。

<建築年代>

店舗:明治28年(1895年)
土蔵:明治元年(1868年)

中村屋商店

 明治7年頃より代々荒物・雑貨・畳を商ってきた。正面の交差した道路に沿った変形の敷地であるため、母屋の角の柱を五角形断面にしている。内部の架構に工夫をこらし、間取りも変形平面の部屋を設ける等、全体として一階に店舗と台所を、二階には座敷を設け、よくまとまった平面構成となっている。
 「まちぐるみ博物館」の一つとして、一枚の紙から作られた「連鶴」を展示している。

<建築年代>

店舗:安政2年(1855年)
土蔵:明治25年(1892年)以降

正文堂

 大黒柱は欅材、2階の窓は土塗の開き戸、さらに横引きの土戸に板戸と、三重に防火設備を伏した土蔵造りとなっている。登り龍、下り龍を配した看板が特に目を引く。
 「正文堂」の文字は巌谷修の書(明治29年)である。
 重厚などっしりとした立派な建物である。

<建築年代>

明治13年(1880年)

正上

 江戸時代より醤油の醸造をしていた老舗。創業は寛政12年(1800年)5月。現在は10代目。戦後は佃煮の製造販売が主となった。土蔵は明治初期の建築。江戸時代の店構が残る数少ない建築物であり、当時の戸締りの方法である「よろい戸」方式が残っている。店の奥には千本格子の障子戸が残り趣がある。
 「まちぐるみ博物館」の一つとして、映画・ドラマの映像写真やデータが掲載されている。

<建築年代>

店舗:天保3年(1832年)
土蔵:明治元年(1868年)

小堀屋本店

 創業は天明2年(1782年)切妻平入瓦葺きの建物で、奥の土蔵には蕎麦作りの秘伝書や道具類が残っていた。
 建物は木造2階建で、店舗、調理場、土蔵が一体となった明治時代の形式をそのまま残している。
 表のガラス戸は明治35年に旧佐原市で初めて使われたものであり、貴重な文化財である。

<建築年代>

店舗:明治25年(1892)
土蔵:明治23年

中村屋乾物店

 店舗は、明治25年(1892年)に佐原を襲った大火直後に建築されたもので、当時最高の技術を駆使した防火構造で、壁の厚さが1尺5寸(約45cm)にもなる建物。間口は3間で、1階は畳敷と通り抜け土間のある店構え、2階は屋根裏を表した倉庫になっている。1階の正面は揚戸と土間の建て込み、2階は観音開きの土戸としている。小屋組み6段、出し桁化粧造りとなっている。
 文庫蔵(総檜)は、店舗から1間程離れて建つ3階建ての建物で、1階と2階は明治18年(1885年)の建築、3階は店舗とともに明治25年(1892年)の大火の前の形で再建されたもので、2室(8畳間と6畳間)続きの座敷となっている。
 限られた敷地の中に蔵造りの建物が建つため、居室に文庫蔵の3階をあてるなど居住空間の配慮に工夫が見られる。建築当初の様子がそのまま残っており、堂々としたたたずまいである。

<建築年代>

明治25年(1892年)

旧油惣商店

 創業は寛政6年(1794年)で、奈良漬けづくりを始めた。明治から昭和戦前までアメリカへ輸出。
 旧店舗は、木造・寄棟妻入二階建・瓦葺で、間口三間半、奥行五間の大規模な総二階建である。
 土蔵は切妻平入二階建・瓦葺で屋根裏を含めると三階建、棟札に「寛政十戌午歳九月 立之大工 佐吉立之」とあり、佐原最古の土蔵の可能性がある。大正5~6年に増築。
 酒造業銘柄『菊華』。佐原で初めてキリンビールを販売する(大正年間)。
 江戸、明治、大正、昭和30年までの建物、家財がそのまま維持されている。

<建築年代>

店舗:明治33年(1900年)
土蔵:寛政10年(1798年)

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